【国内編】  

   木曽路,信州への旅紀行      Aug.26.2003〜Aug.27
これまで信州方面への旅行を何度か検討した事があるが、これまで縁が無く、この方面へ
来たのは初めてだった。
8月26日 名古屋発、16:00中央本線、特急"しなの 25号"信州松本までの旅。
指定席の車両には、乗客もまばらでゆったりとしていた。
名古屋を出てから、暫くすると徐々に都会の表情が薄れ、田舎町の様相を呈してくる。
やがてのどかな田園風景が広がって、山も近づいて来た。
見渡す田んぼには、稲穂が垂れ下がり、あちらこちらで、スズメの脅しがしてあり畔
の夏草刈りを済ませてきれいにしてあるところもあり、もう秋の近い風情がする。

兎追いしかの山小ブナ釣りしかの川 昔の唱歌の一節がふと浮かんで来る。
1 時間も経過しないうちに、山が近くに迫ってきて、我々の行く手を阻むようになった。
見下ろす谷川は深くなり、山間を縫うように電車が進む。
この日、雨が降ったり止んだりしていたらしく、遠くに見える山肌から雲が湧き上がり
まるで墨絵の世界を想わせる光景だった。

途中木曽福島の手前に浦島太郎が竜宮城から戻って来て余生を送った伝えられる
名所があると車内(案内)放送が流れた。〔下写真〕

  

その付近には、浦島太郎を葬って、奉っているお寺もあるとのこと。
こんな山深い所に浦島太郎にちなんだ伝説が残っているのも面白い。
         【以下文献の一部】
          ・ 長野県木曽郡上松町寝覚…「臨川寺」。木曽川の上流中部山岳地帯。
          ・ 「寝覚浦島太郎略縁記」。(浦島は信州に帰朝したといわれる)

  
車窓にへばりつくようにして眺める外の景色は飽きることは無く、急いで取り出した

カメラのシャッターを切った。
山の木々も、山が深くなるに連れて、緑も濃くなり黒に近い感じがする。
名古屋を出てから、電車で見かける川の水量も豊か、上流になるにしたがって水が綺麗
になって、谷川の水が勢いを増してくる。
渓谷には所々に水力発電所があり、電気もまた豊富に生まれる。
丸太材が構内に積んである駅があちこちに点在し沿線には林業が盛なようだ。
途中小さな駅でも、特急電車が停車するところがあり、ローカルな感じがした。
又沿線には、漆器の製作や販売の看板があちこちにありこれも珍しい。
この地方ならではの御岳教という看板を掲げた寺院のような建物も見かけた。

塩尻が近くなって、周りの山が遠のき、電車は松本平と呼ばれる盆地に入った。
遠くの山は、悠々と連なり山が高いことをうかがわせる。
葡萄畑がひろがっているのは、意外な感じがしたが、所々にリンゴの木があり、少し
はにかむように色づいている。
名古屋から特急で丁度2時間、まだ日のあるうちに、信州松本へ到着した。

松本は人口約22万人の長野県では2番目に大きい街とのこと。
駅舎にある(観光)案内所にも次々に、観光客らしき人が訪れ賑っていて活気がある。
ここからは軽井沢も近く、ハイカーの姿もちらほら見かける。
この地は10年程前、オーム真理教によるサリン事件が起き、まだ記憶にあるところ。
こんな平和な街に、世の中を仰天させるような凶悪な事件が、何故起きたのだろう?
我々はそのようなまがい物の宗教に惑わされないよう、しっかりと立たねばならない。

ふと見かけたテレビによると、天皇、皇后両陛下がご結婚のきっかけとなった軽井沢
に25年ぶり?に、来られているとほほえましいニュースを伝えていた。
今回は松本駅から、さほど遠くない池田屋というホテルにネットで予約して泊まった。
ホテルの向かいにある道べりには、民芸調の店が立ち並び、その間にある川は、水が
とうとうと流れ、所どころに備えられたベンチや、レトロ調の街灯が何処かしっとり
した大人のムードをかもし出し、散策する人をやさしく迎える。

遠くの山は高いのであろう、中腹に雲が横たわり、周囲に高い山が無い我々にとって
普段そのような風景を見ることがなく、まるで飛行機から見かけるような景色のよう
に感じた。〔周りの山が高いので、雲が山の中腹にかかる、....山火事ではない)
〔写真はホテル8Fから槍ヶ岳方面を眺む....〕

 

空気も澄んだこの地で、眺める星はさぞかし沢山の数があるであろうと思える。
8月下旬、おりしも約6万年ぶりに、火星が最も地球に接近すると話題になっていて
世間の注目を集め天文学ファンのみならず、にわか興味の人々のロマンをかき立てる。
この日は時折雨がパラつき、残念であるが、星は見ることが出来なかった。

今回は納入機械の引渡しの仕事で、来させて頂いたので、物見遊山とはいかなかったが
その会社の事務員さんに、「今度はいつかキット遊びに来て下さいヨ。」と言う爽やかな
声に送られてこの地を後にした。      
                          
そんな言葉が浮いたものではなく、板について出てくることが、暖かくて嬉しい。
この地でお会いした方々は観光圏で人に接する機会が多く、ただ単に馴れている
からソツがないと言うことではない。
自然に恵まれているから、人の心も豊かなのだろうか? 
人情味も厚くとても印象の良い所だった。

秋ももう直ぐそこに.....早くも咲いた道端のコスモスの花が風にゆれて、見送りをして
くれているかのように映った。信州は機会があれば是非また、訪ねて見たい地となった。